ドローンの基本知識

GPSとRTK測位による高精度ドローン飛行

ポイント

GPSとRTK測位による高精度ドローン飛行

 

RTK測位とは何か?

RTKとは「Real Time Kinematic」の略であり、「動的な」という意味が込められています。RTK測位機能を持つドローンでは、「移動局」と「固定局(基地局)」という2つの受信機を使用し、これら2点間でリアルタイムに情報をやり取りすることで測位精度を大幅に向上させることができます。GPSなどの衛星位置情報測位システムだけでは、数メートルの誤差が生じてしまうため、RTK測位がその誤差を補う役割を果たします。

一般向けRTK測位機能付きドローンの例

現在、ほぼ一般向けに発売されているRTK測位機能がついたドローンとしては、DJI社の「Phantom 4 RTK」(70万円程度)が挙げられます。Phantom 4 RTKを活用することによって、地上基準点(GCP)をより少なくしても、センチメートルレベルの正確なデータを得ることが可能になります。

RTK測位ドローンの活用に必要な機材と費用

ただし、「Phantom 4 RTK」を十分に活用するには、「Phantom 4 RTK」本体だけでなく、別の機材(基準局50万円程度)や基地局の利用料などが必要となります。また、現状では、公共測量で必要とされる精度を満たしていないという理由で「公共測量での使用が原則認められない」場合も少なくありません。

今後の展望と測量方法の革新

今後は、「みちびき」の活用やドローンの機能向上によって、「ドローン」のみで、「公共測量で使用できるレベルの精度」の測量が可能になることが期待されています。これにより、測量の方法に革命が起こるでしょう。

DJIは、センチメートル単位でのナビゲーションと測位を可能にする測量用の高精度ドローン「Phantom 4 RTK」を2018年10月に発表しました。Phantom 4 RTKは、測量調査の効率性と正確性を向上させるだけでなく、複雑な業務の簡素化や費用の削減が実現可能となっています。

個人のドローン飛行でもRTK測位の利点

個人でドローンを飛行させる方々にとっても、RTK測位機能を持つドローンは大変魅力的です。これにより、より正確な飛行や撮影が可能になり、さまざまなシーンでドローンを活用することができます。例えば、景観撮影や建物の点検など、より精密な測位が求められる場合には、RTK測位機能を持つドローンが重宝されるでしょう。

RTK測位機能付きドローンの今後の普及

今後、ドローン技術の進化によって、より多くの一般向けドローンにRTK測位機能が搭載されることが期待されます。これにより、趣味でドローンを飛行させる方々だけでなく、プロフェッショナルな測量業務にもドローンが広く活用されることが予想されます。さらに、測位精度の向上や価格の低下が進むことで、ドローンの活用範囲がさらに広がることが期待されています。

これからも、ドローン技術の発展に伴い、GPSとRTK測位を組み合わせた高精度なドローン飛行がどのように進化し、どのような新たな可能性を切り拓いていくのか、楽しみに注目していきましょう。